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株式会社毎日新聞社

プロジェクトマネジメント / 設計・デザイン / 施工

4階 4,665.08㎡ + 3階 2723.37㎡ / 合計 7388.45㎡ 2,235坪

企業と建築の歴史を紡ぐ、空間再編で実現する成長と効率の新たなステージ

株式会社毎日新聞社様の東京本社にて、約30年ぶりとなる大規模なワークプレイス再編を担当しました。お客様と建物の歴史に敬意を込めたコンセプト「レトロ&シンプル」に基づき、明確な動線計画など効率的なオフィススペースの整備から、経営改善と生産性向上に寄与する空間づくりを目指しました。また、自社所有のビルとして、オフィススペースを戦略的に縮小し、新たな賃貸区画の創出も実現しました。

CONCEPT

「レトロ&シンプル」をコンセプトに、お客様の歴史を紡ぐオフィスデザインを追求。築古ビルが持つ竣工当時の建築美を活かし、古き良き時代のオフィス空間を継承しながらも、現代の働き方に合った効率的な動線計画と柔軟なレイアウトを組み、生産性向上と快適なオフィス環境を実現しました。既存の建築素材や企業活動と共に時代を超えて利用されてきた家具を最大限に活用し、改修コストの抑制にも貢献。新旧のデザインをバランスよく融合させた空間を創出しました。

PLANING

特に迅速かつ円滑なコミュニケーションが求められる編集エリアでは、人と情報を同じ流れにすることで、生産性向上を図りました。また、執務エリアの統合により、採光効率を向上させ、組織変更にも柔軟に対応できる空間を確保。オフィススペースの効率化により新しい賃貸区画の創出も実現しました。

DESIGN

既存素材を活かした意匠計画を行い、時の流れを感じさせる調和のとれた空間としました。特注の床材で継ぎはぎを再現し、ビルの歴史を表現。長年の利用による天井の色合いの豊かさを活かすために、什器の色調を調整することで、区画ごとに統一感ある仕上がりを実現しました。

 

毎日新聞社の150年の歴史を宿す、家具や備品を再生したアートウォール。時代を越えた情熱と記憶が息づいています。

皇居の緑を取り込み、環境に配慮した素材を厳選することで、自然と調和した快適なオフィス環境を実現しました。

執務エリアを3フロアから2フロアに集約するにあたり、ゾーニングを最適化。中央に配置したメイン動線を起点に、南北に広がる空間構成を採用することで、コミュニケーション・情報・人の効率的な移動を実現し、生産性の向上を目指しました。

天井や床といった水平方向は既存の要素を活かし、壁や柱といった垂直方向は新たな意匠を施すことで、新旧の調和を生むデザインとしました。

皇居の緑を取り入れ、開放的な空間が魅力の会議室。

 

中央の編集エリアでは、情報を迅速かつ正確に伝達するフローが重要となるため、司令塔部分にコの字型とV字型の造作家具を配置し、独自のコミュニケーション・情報・人の流れに適した設計を行いました。

円卓を囲む交番会議|2009 Takebashi

執務室内の柱には、新聞印刷に使われる技術(網点処理)を取り入れ、新聞社らしさと歴史を感じられるデザインを表現しました。

活版部の大組作業|Yurakucho

執務室内の柱には、新聞印刷に使われる技術(網点処理)を取り入れ、新聞社らしさと歴史を感じられるデザインを表現しました。

屋上を舞う伝書鳩|1953 Yurakucho

執務室内の柱には、新聞印刷に使われる技術(網点処理)を取り入れ、新聞社らしさと歴史を感じられるデザインを表現しました。

新旧のデザインの共存により、歴史と現代の対話を表現した執務室エリア

長年大切に保管されていたアートを役員エリアと応接室を中心に配置。企業の美意識と創造性を昇華させ、空間に息吹と感動を注入しました。

LAUNCH

完成後のフィードバックでは、改修によって全体が開放的で明るく、広々とした印象に変わったという声をいただきました。執務エリアを3フロアから2フロアに集約することで、効率的なスペース利用を実現しました。また、部署ごとに利用が偏っていた会議室を全社員が平等に利用できるよう整備した結果、会議室の運用改善にもつながりました。

PROJECT FLOW
  • 要件整理

    改修コストを抑えながら、毎日新聞社全体の経営改善を図るためのオフィス環境づくり、および新たな賃貸区画の創出が求められました。過去の増改築に伴う情報や各部署の設備・什器が十分に把握されていなかったため、数か月かけて全家具・設備・収納量を確認しました。そうしてまとめ上げた既存データを基盤に、適切な設備を見極め、プロジェクトの円滑な進行を図りました。

  • 概念設計

    お客様と建物が歩んできた歴史に敬意を表し、時の流れをワークプレイスに取り込むという思いのもと、コンセプトを策定しました。歴史と共に息づく空間の価値を紡ぎ、既存の資源が持つ物語性を最大限に尊重。最小限の介入で、持続可能な未来と伝統の調和を体現するワークプレイスを創造しました。

  • 基本計画

    オフィススペースを戦略的に減らし、その分賃貸区画を確保すると同時に、明確な動線計画により効率的な人と情報の流れを実現し、綿密な空間設計を行いました。

  • 実施設計

    水平と垂直を意識したデザインや、既存素材を活かした意匠計画により新旧が調和した空間の構築を目指しました。

  • コスト調整

    歴史的なビルの特性を活かし、既存素材を効果的に再利用しました。計画段階では予算を最適化し、デザインで既存素材と新素材を融合。施工段階では無駄を省き効率化を追求し、コストと品質のバランスを実現しました。

  • 環境構築

    24時間オフィスを稼働しながら工事を進める必要があり、各区画に分けて施工を実施しました。また、現場に常駐するスペースを設けることで、迅速に対応できる体制を整え、お客様の協力を得てプロジェクトを円滑に進めました。

PROJECT DATA

Client: 株式会社毎日新聞社
Project: 株式会社毎日新聞社 東京本社
Business: ワークプレイス構築
Role: プロジェクトマネジメント / 設計・デザイン / 施工
Completion Date: 2024.04
Size: 4階 4,665.08㎡ + 3階 2723.37㎡ /合計7388.45㎡ 2,235坪
Location: 東京都千代田区
Category: メディア

CREDIT
企画立案

株式会社フロンティアコンサルティング

プロジェクトマネジメント

株式会社フロンティアコンサルティング

設計・デザイン

株式会社フロンティアコンサルティング

施工

株式会社フロンティアコンサルティング

撮影

INFOCUS / 堀哲平写真事務所 / フロンティアコンサルティング